不登校の子どものお母さんの共通点

漠然とした印象なのですが、お子さんの不登校に悩んでらっしゃるお母さんは2つのタイプに分けられるように思います。子どもへの接し方についてです。明らかに過干渉なタイプと、あまりにも放任しすぎなタイプです。

○過干渉型

子どもの行動、さらには「意志」に対して干渉が多すぎるタイプです。

例えば子どもが幼い頃から

「○○ちゃんは、○○したいのよね」
「○○ちゃんは、○○だからね」

という風に、子どもの意志を代弁するような格好で、
その実は自分の意志を子どもに頻繁に強要する、という具合です。

いつもそんな感じで育てられた子どもの多くは、お母さんが大好きで、お母さんに依存し、自分に自信が持てないまま大きくなってしまった印象を受けます。

そんな子どもたちは中学1年生くらいになっても、お母さんと一緒にいると極端に弱くなり、自分の意志を言葉で言えなくなる傾向がみられます。

お母さんの意志にきちんと沿って「私はこうしたい」と言わないと駄目、と躾けられてきているからではないでしょうか。

数多くご相談に乗らせていただいた経験からいって、不登校児のお母さんには、このように極端に過干渉なタイプがかなり多いような印象です。ただこれはあくまで印象で、学術的な調査とまだつきあわせていないので因果関係はよくわかりません。もっとよく調べてみたいと思います。

○放任型

過干渉なタイプと同じくらい多いのが、逆に、あまりにも干渉がなさすぎるタイプのお母さんです。子どもの自由意志を尊重して、したいようにさせる、という方針のお母さんです。

子どもの自由意志を尊重するのは必要なことですが、あまりに早くから、全面的に放任するのは考え物です。ある程度は子ども自身がしたいようにさせないと、自立でいないまま大きくなってしまいます。

しかしだからといって、あまりに早くから「あなたがしたいようにすれば、お母さんはいいわよ」といっても、いい結果にはつながりません。

子どもが自分で考えるだけの力や知識が備わるには時間がかかるからです。中学校や高校ぐらいの年齢では、まだ社会のことがほとんど知らない、わかってない状態です。まだまだ未熟なのに、「○○が、好きなようにしたらそれでいいのよ」と言われても、判断ができる子は少ないでしょう。

また、口では「○○が好きなように」すればいいと言いながらも、内心では「そうはいっても、やっぱり勉強はして欲しいし、いい学校には行って欲しいし、大学にも進んで欲しいし」という裏腹な思いがあるお母さんが大半です。

恐らくそれが、子どもに対して、お母さんの内心を推し量ってそれに沿う内容を自分の意志として言わないといけない、というプレッシャーを形成しているように思われますが・・・やはりこれについても、まだそういう実証研究を見つけていないので断言はできかねます。

適度な干渉が子どもの意志を育てる

過干渉なお母さんと、放任が過ぎるお母さん。
その両極端のご家庭で、子どもが不登校になる例が多く見られます。

と、考えると、子どもに対してはほどほどに干渉するのがいいようです。
子ども自身の意志と母親の意志が区別できないほど、お母さんの意志を押し付けるわけでもなく。かといって、自我が育ちきらないうちから、何事も(進学や将来といった重大事も)完全に子どもの意志任せ、というのも避けたほうがいい。

大人の考えを示し、導きつつ、子どもにも自分で考えさせる、というバランスが大事なのではないか、と感じます。