家族だけで悩まないで下さい

不登校などの悩みを子供が抱えることはは、子供自身だけではなく、その家族にとっても大きな精神的負担となります。

ご家族が子供を非常に心配し、悩んでしまうのは当然のことです。ですが時には…子供を心配するあまり、子供のことを冷静な目で見られなくなってしまい、かえってよくない影響を与えてしまうこともあるようです。問題を深刻に捉え過ぎていた場合、子供のためを思っての対応が、子供への誤ったメッセージ(両親は自分のことを好んでいない、他)になってしまう場合もあります。また、両親が自分のせいで悩み苦しんでいる、ということは子供にもよく伝わりますから、彼ら彼女らの悩みを強化してしまうことも考えられます。

そんなことを避けるため、子供の問題だからと家族だけで解決しようと悩むのではなく、ぜひ外部に助けを求めて頂きたいと思います。


「登校拒否から立ち直った親の会」の林礼子氏も、そのご著書でこう述べてらっしゃいます。



どうしたら学校に戻るかを、親が考えるのではなしに、専門家に考えてもらわないと、とても(学校に)戻らないのです。それは継続登校という大きな課題があるからです。(「母さん、早く学校に行きたいよう!」p16)




ご自信も子供の不登校を経験なさった林さんは、家族以外の人の助けを求める際、中でも大学生の役割を強調していらっしゃいます。


学校を休んでいて、毎日退屈して親と一緒にいたり、ゲームやテレビ、絵を描いたり、お母さんを困らせたりしている子供には、お兄さん、お姉さん役の大学生が必要です。

まず混乱して子育てに自信をなくしているお母さんから一時切り離し、両親以外の人との接触を図ります。(「母さん、ぼく学校へ行けたよ!」 p232)




林さんは「登校拒否を克服した親の会」の会長として、ご自身のみならず多くのご両親の相談に乗ってこられたそうです。その豊富なご経験からも、子供の悩みを家族だけで抱え込まず、助けを求めるというのはとても重要なことだそうです。不登校、登校拒否などの悩みを抱える子供のご家族の皆さん、自分たちだけで苦しまず、ぜひためらわず第三者機関の助けを求めて下さい。最終的に問題を解決するのは子供とご家族ですが、そのためのステップとして第三者機関が介在することは、大きな前進になります。