不登校から立ち直った坂本龍馬

以下、山陽新聞(2008年8月27日) より。

厚生労働省は本人や家族らに対する相談専門窓口となる「ひきこもり地域支援センター」(仮称)を来年度から各都道府県と政令指定都市に設置する方針を決めた。

引きこもりの人たちは、全国で数十万―百万人もいると推定される。現在は保健所などで相談を受けているが、専門的な窓口は整備されていない。


とのことです。
また、社説子は以下のように続けています。

 
 

(引きこもりは)本人が周囲との対話を拒絶し、家族も世間体を気にして抱え込んでしまいがちになるため、事態を分かりにくく複雑にしている。社会の理解や支援が乏しい中で有効な手だてもなく、ずるずると歳月を重ねていくパターンが多いようだ。

 本人や家族らの苦悩は察するに余りあるが、まず大切なのは社会から孤立させないことだろう。…引きこもる期間が長期化するほど社会復帰は難しくなるため、早期の社会的支援が欠かせない。

 引きこもりの人たちは自宅に閉じこもっていても、外に出るきっかけや話し合える仲間などを求めているといわれる。センター設置は本格的な支援の第一歩ととらえ、悩みや要望などを丁寧に聞いた上で、どうすれば引きこもりを脱し、就労などにつなげられるかの道筋を探る必要がある。


社説にも書いてありますが、引きこもりでコミュニケーションの機会が続けば続くほど、ますます社会復帰は難しくなってくるといわれています。ただ一度そういう環境になってしまうと人とのつながりを再開するキッカケがなかなか無いのが問題です。


私たち東京家学では、教師を引きこもりや不登校の子供のご家庭まで直に、かつ定期的に訪問させることで、コミュニケーションの機会としています。また、教師は子供と年齢が離れた大人ではなく、「お兄さん、お姉さん」的な年齢の大学生であるため、コミュニケーションしやすいというメリットがあります。

政府もようやく相談窓口設置などの対策を講じたようですが、私たち東京家学も民間企業という立場から最大限努力をして参ります。

学校という場にどうしても合わない子供というのは一定数存在しています。
それは決してその子や両親が何か悪いわけではありません。
味の好みや身長と同じように、単にその子の個性です。

学校に順応できず、不登校気味になってしまう子や、
学校がフォローできないほど授業から遅れてしまう子供は、
まだまだ「できない子」「劣った子」だとみなされがちです。

しかしそれが間違いだということは多くの先例が証明しています。
学校に馴染めなかった子供の中から、多くの偉人が輩出されているからです。
非常に有名な人のなかに坂本龍馬がいます。

坂本龍馬寺子屋、当時の子供なら誰でも通う学校にどうしても馴染めませんでした。
彼は子供の頃からかなり変わり者でしたし、授業にまるでついていけなかったためです。
そこで先生から「とても面倒を見られない」と言われたのです。
本人にとっても両親にとっても、とてもショックだったと思います。

ですが彼は家庭で自分にあった教育を受けることで、
その才能を伸ばし、無用な自信喪失に陥ることもなく、
やがて社会に出て大きく活躍しました。

このような偉人たちの実例はよく引き合いにだされ、
「だから、あなたのお子さんも大丈夫ですよ」
とご両親を励ます際によく使われます。
いまの日本の学校制度に合わない子でも、
その子にあった教育環境を与えてあげれば、きちんと成長できます。


しかしそのためには、その子の個性に合わせてノビノビと育ててやればいい…というだけ不足だと東京家学は考えます。その子の個性を重視し、好きなことを経験してもらって自己肯定できるようになることは非常に重要ですが、それだけでは将来、自立した社会人になるのは難しいのではないでしょうか。

坂本龍馬は学校が合わなかったので家庭で教育を受けています。
しかしその教育内容は、ただ単に子供が興味があった分野にとどまらず、
子供が成長した後で社会的に意味がある学習でした。

当時の武士にとっての一般教養・・・いまでいう小中学校レベルの勉強をするとともに、
武士にとって「学歴」である剣術を習得しています。
その結果、江戸の大道場である千葉道場に入門しています。
いまでいえば、不登校児が家庭学習をやって、高校卒業認定レベルまで身につけ、
さらに大学受験をして早稲田大学慶應義塾大学に進学したようなものです。


このように、貴重な個性をもって生まれた子供がそのために不登校といったハンデを抱え、
しかしそれをきちんと克服して社会に出て行く。そして大いに活躍する。
それが当たり前の日本社会に、一歩でも近づけて行きたいと東京家学は思っています。