本を読む子供に育てる方法2 両親が本を読まない場合

以前に、「本を読む子供に育てる方法? 両親が本好きな場合」という記事をアップいたしました。

その結論は「家のいたるところに本スペースを設け、両親の本をそこに分散配置し、あわせて子供の本も置いておくこと。そして子供が自然に読みだす環境とすること」がいいのではないか、ということでした。

とはいえ…ご両親があまり本をお読みにならない方の場合、「子供の本といっても何を買い与えたらいいの?」というのは大きな疑問としてあるようです。書店員の人に聞いた話ですが、よく「何を買ったらいいでしょう?」と相談を受けるそうです。私もお客様から「子供が〇歳なのですが、何かお勧めの本はありませんか?」とご相談を受けたことがあります。


〇何歳ならこの本、という明確な基準は作れない

これはたいへん難しい問題です…なぜなら、大人でさえ本の好みなんてバラバラだから、
「〇歳ならこの本!」なんていう教科書みたいな選び方はできないからです。

実際、以前に弊社でお世話させて頂いていたお子さんの中にも、
年齢と読書生活がかけ離れた子がいました。

中学生なのに明治時代の文豪の小説しか読まないというツワモノの男の子とか、
小学校高学年なのに京極夏彦(鈍器になるくらい分厚い超長編しか書かない)
を愛読しているという将来有望すぎる女の子など・・・。
そうかと思えば、高校生で現代文の読解はよくできるのだけど、
勉強以外で楽しみのために本を読むことは一切無い、という子もおりました。

ですから、子供が何歳だからこの本、というような決まった与え方はできないと思います。

とはいえ出版社や書店としてはそうもいかないので、やむなく「小学校低学年推奨」いうように年齢別に分けている場合があります。しかしあれはただの目安であって、何も判断材料がないときの手がかり、という以上のものではないと思います。


〇たった一つの冴えたやり方

 そう考えると、結局のところ「その子が面白いと感じる本だけ、読ませる」というのがイチバンなのではないか、と思います。

 その子が面白さを感じられるなら、ちょっと難しすぎるのでは、大人向けすぎるのでは、と思われるような本でもドンドン勝手に読ませたらいいのではと。逆に、小学校に上がったのだからもう絵本は卒業、だとか、中学生なのだから子供向けすぎる本は…なんて年齢に合わせて斟酌する必要はないのではないでしょうか。

 要は、子供が「本って面白い」ということを感じ、自分から新しい本に手を伸ばすようになってくれさえすれば、後は放っておいてよいように思います。そのためには兎に角、その子にとっての「面白い本」を見つけさせ、逆にどんなに定評があってもその子供が「面白くない」と思う本は無理に読ませないことではないでしょうか。


 そのための第一歩としては、図書館に赴かれることをお勧めします。色々な年齢向けの本がありますので、子供の好きなものがどの辺りなのか、子供自身に選ばせてみてはと。そして図書館に行くのが習慣になれば、後は勝手に読んでいくでしょう。

 もし書店をご利用になって子供向けの本をお買い求めになられるなら、ぜひ足をのばして銀座の「教文館」という書店の6階に赴かれることをお勧めします。この書店は児童書を含む子供むけの本に非常に力をいれております。児童書フロアである6階に「ナルニア国」(映画化もされたファンタジーナルニア国物語” から)とフロア名をつけているくらいです。ここならば子供が面白いと感じる本を見つけやすいのではないでしょうか。(教文館 6Fナルニア国)

 以上、ご参考までに。