思いのほか、学習障害を抱えている子どもの存在を世間は知らない。


自閉症アスペルガー、注意欠陥/多動性障害など、

これらは一括して、発達障害と呼ばれています。

上記の単語は恐らく皆さんも耳にしたことがあるのではないでしょうか。


しかし、発達障害の中には「学習障害」と呼ばれるものがあります。

一体どういう内容なのでしょうか?

学習障害とは?


代表的な学習障害として、「ディスレクシア」「ディスグラフィア」「ディスカリキュア」などが挙げられます。

それぞれ「読字障害」「書時障害」「算数障害」と訳されます。

「読字障害」


字を解釈することが遅い人、曖昧な字の判別ができない人、字がぼやけて見える人。

文字が読みにくい、認識しにくい学習障害がこれに該当します。

「書字障害」


頭の中でまとめて文章にすることが中々できない人、字を綺麗に書くどころか、字をなぞることも困難な人、

聞き写しなどができない人などが書字障害の可能性が高いです。

「算数障害」


普通なら暗算でできるようなことも、指を使って計算したり、

公式はわかっているけれども、計算間違いなどのケアレスミスが多かったり、

数の大小(1より2の方が大きいなど)を把握することが難しかったりする人は算数障害の恐れがあります。

習って、勉強すればいいというわけではない。


学習障害に当たる人は、勉強しないから、内容を理解していないからできないというわけではありません。

普通の人だと、問題を解決させるためには、解決するためのツールと方法を教えてあげるだけでいいかもしれませんが、

彼らは、ツールの用いる、方法を利用する段階で障害が発生しているのです。

もちろん、極端な学習障害でなければ、繰り返し行うことで訓練にはなります。

ただ、問題なのは、その子が「学習しない」ことではなく、「できない、または困難である」状況にあるということなのです。

学習障害は気付かれにくいことが最大の難点


今現在、世間では学習障害について知っている人は少ないと思われます。

学習障害は、普段の生活においては何ら他の子どもと奇異な違いはありません。


さらに、アスペルガーや注意欠陥/多動性障害は、比較的見つけられやすいのに対し、

学習障害は多くの場合、単なる学習不足とか、能力が少し低い子ども程度見なさせることが多いからです。


今現在、学習障害である子どもは、恐らくその大多数が見過ごされてきていると思われます。

その上、自分でも中々学習障害とは気付けません。


だからといって、理解が足りないまま努力をしない人間だとか、頭が悪いとか決めつけてしまうと、

その子どもに大きな悪影響が出るでしょう。

学習障害といっても、知能的に遅れがあるわけではありません。

学習障害と共に生きるために

ほとんどの場合、学習障害が治ることはありません。

上手く共存して生きていく方法が求められます。

次回はそれと絡めて、学習障害の対処法を考えていきたいと思います。


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